夢のあるこどもたちに…。
活動報告
1. アートセラピーによる子どもたちの心のケア
2024年4月 長野県の児童養護施設から助成金の事業完了のご報告をいただきました。
『本事業にご理解いただき、そして助成してくださり本当にありがとうございました。おかげさまで事業を実施することができました。心から感謝しております。』
【アートセラピーの目的】
子どもたちと触れ合う中で、自分の心にある感情や思いを言葉では表現できていないことがあるように感じていた。しかし、子どもたちにとって感情や思いを丁寧に見つめ、認識し、表現することは大切かつ重要なことである。なぜならば、それは自分の気持ちを大切にすることであり、それが子どもたちの自尊心を高め、自分自身を大切にすることに繋がると考えられるからだ。
そうした力を養う手段として定期的な「アートセラピー(芸術療法)」の機会を子どもたちに作りたい。アートセラピーには心を癒し、感情的に不安定になった時にセルフケアできる力を養うことも期待できる。
【活動内容】
事前準備として児童の成育歴などの情報を共有した。また、実施後には講師と施設職員が振り返りを実施。児童同士の関係性から環境設定が必要な場合は打ち合わせを行ってから実施した。
<1~5回目>
他児童の動きを見ながら制作することが多く、ちょっかいを掛け合ったり、誰かが褒められると別の児童が拗ねてしまうことも多々あった。制作自体はとても楽しそうに行っていたが、自分がやりたいことというよりも、褒められたい、認められたい、上手に作りたいという気持ちで制作していたように感じた。また、何か嫌なことがあるとふてくされて話そうとせず、相手に察してほしいと態度で示しており、自分の気持ちを伝えることが難しい様子だった。
<6~7回目>
児童それぞれが自分の制作に集中し、自分がやりたいことをやっていた。以前は上手くできないと言っていた児童も「完璧じゃないけどこれでいっか。」と制作したものを受け入れることができていた。講師たちにも言葉で気持ちが伝えられるようになってきた。
【活動の成果 及び 今後の展望】
児童たちは、制作や講師たちとの関わりを通して安心感を覚え、さまざまな気持ちを言葉や制作で表現できるようになってきた。アートセラピーに通う前には苦しい気持ちでいっぱいになっていたが、制作によって表現することで気持ちがすっきりしたと話していた。また、施設内でも気持ちを表現したり、苦しい気持ちになった時には気持ちを落ち着かせる方法を身につけ、実践することができていた。
今年参加した児童たちは、少しずつ自分の気持ちや伝えたいことを言葉で表現できるようになってきている。しかし、まだ十分とは言えないため、継続していく必要があると思われる。また、児童養護施設に入所している児童の中には、言葉で表現することが苦手な児童も多いため、言語に頼らない心理療法のひとつとしてアートセラピーを継続し、児童の心のケアをしたいと考えている。
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