活動報告

5. 百名山 ~海抜0メートルからの挑戦~

2022年9月 東京都の児童養護施設から助成金の事業完了のご報告をいただきました。


『児童養護施設で生活する児童は、その生育環境から自己肯定が低いと言われています。逆境に立ち向かう力が弱いことは、自分を支えてくれるべき親の存在が希薄である子どもたちにとって、ある意味必然かもしれません。一見すると、明るく元気に過ごしているように見えますが、その内面の葛藤や混沌は深く、時間をかけて回復していくしかないと思っています。しかしながら、いずれ社会に出ていく子どもたちには、施設にいる間に少しでも信頼や生きる力を育んでほしいと願っています。
その一環として、誰に対しても平等である大自然の中で自分と向き合い、仲間や職員と語り合う機会を設けています。この事業を通し、心に残る達成感や充実感を得ることで、次に向かう力となるきっかけになればと考えています。今年は海から北アルプスという雄大な舞台の中で。子どもたちは葛藤しながらも、その力の一端を見せてくれました。この経験が子どもたちの思い出となり、その思い出が日常での力になることを期待しています。』


【活動内容】

本事業は、2005年 北海道を舞台にして始まった。今年は富山湾からスタートし、北アルプスを5日間で縦走する。歩行距離は例年より短めで、多くの時間を山の中で過ごした。天候や気温の変動、山小屋での共同生活。そして最後の夜に浮かんだ満月と太郎山から見た夜景。素晴らしい時間だった。 体力差等により、まとまって行動できていない場面もあり、グループという面では課題が出た。しかし、今回は途中で諦めてしまうメンバーがいなかった等、新たな可能性を感じさせるものであった。

子どもたちの感想(抜粋)

「みんなについて行けた。グループはまとまっていなかったけど、最後まで行けたことはよかった。」
「自分の点数は95点。2年間の百名山で自分自身の課題を、3年目の百名山で改善することができたから。グループの点数は50点。毎日課題はわかっていたんだけど、修正することができなかった。」
「みんなのペースについていけなかったけど、初めての百名山にしてはよかったと思う。グループの団結力はあまりなかった。けど、みんな一緒にゴールできたからよかった。」



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